
趣味で椅子を製作しました。
せっかくつくるならと思い素材も
ひとつひとつ選びました。
座面は柔らかく加工しやすい木材、
足元は頑丈なアイアン、背もたれは
曲げが容易にできるアルミと牛皮を選定。
少し要素の多い椅子となりましたが
素材の勉強にもなりとても楽しい工程でした。

苦労したことは
椅子がなかなか体に馴染まなかったことです。
今まで体感してきた椅子などを参考に用意した
図面が通用しないのだと痛感しました。
何度も自分で確かめ微調整の末、
ようやく体に馴染むものが出来上がりました。
数年が経ち、アイアンに錆が出たり、
木の色合いが変わったりと、当初の素材選定や
経年変化が今となっては愛着あるものになりました。

「人一人が座る椅子」から
「様々な人がそこで生活をする住宅」へ、
ものが大きくなったとしても
人が使うスケールには変わりありません。
建築の中でも住宅は特に人との距離が近く、
建物に直接触れたり寝転がったりと、
常に人のスケールが大切なものだと日々感じています。
椅子を製作したときの感覚を忘れず、
お客さまと一緒にいろんなものを体感しながら、
お家づくりができればと思っています。

