無意味を愉しむ

「廊下を無くしたい。
その分リビングを広くして欲しい。」
お客さまこのようなご要望をよくお聞きします。

私は共感する一方、無駄だと思われている
廊下の良さもあるのではと感じています。

私が好きな建築の一つに鈴木大拙館という
小さな美術館があります。
この建築はメインの場所まで
暗く長い廊下を歩かなければなりません。

ただ、廊下には仕掛けがあります。
廊下の途中で、庭に飛び出た余白から
光が溢れてきます。

そしてまた薄暗い道が続き、さらに進むと
メインの空間に辿り着きます。
長く狭い廊下を体験したからこそ、
この場所がより解放的で
落ち着きのある場と演出されています。

そして最後は暗く閉じられた部屋から
景色を楽しみます。

今回ご紹介した建築は美術館ですが、
住宅でも同じことが考えられるのではないかと
感じます。

廊下から見える景色の変化や余白としての距離も大事に
設計していきたいです。

Imazu

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