先日、水彩画教室に参加してきました。
中学校の美術の授業以来なので、
何十年ぶりの挑戦です。
一日、5時間ほどで一枚の絵を描き上げる教室に、
20名ほどの方が参加されていました。
初心者の方はほとんどおらず、
皆さんが使い慣れた道具を準備し、
もう書き始めている方もいる静かな雰囲気の中、
ひとり、ビリビリと買ってきたばかりの
道具の梱包をはがし、
場違いな音を立てながらのスタートでした。

今回の参加で自分に課したテーマは
「素直」であること。
初心者だからこそ、すべて素直に受け止め、
実行すること。
先生やベテランの方々に丁寧に教えて頂いたおかげで、
何とか完成することができました。
そして、一流の先生のアドバイスには、
建築設計の本質にも通じるものがありました。

「ここにあるもの(偶然に生まれた水の流れやにじみ)
を活かしていきましょう」
「もうそこは(勢いやきれいな色見を損なうので)
触らない方がいいですよ」
この言葉を設計に置き換えれば、
「ここにあるもの」は、
自然の土地条件を活かすという考えにつながりますし
「触らない方がいいですよ」は、
プランをこねくり回しすぎると
最初に思い描いた純度や鮮度、勢いを失い、
新鮮味のないものになってしまうことと共通しています。

建築を学ぶ手段はさまざまですが、
建築そのものから学ぶだけでなく、
他分野の一流の考え方や思想に触れることで、
視野を広げ、俯瞰的に建築をとらえていくことができる。
今回の水彩画教室を通じて、
改めてその大切さを実感しました。

