「家づくりの考え方を共有したい」
とお客さまから本を貸していただきました。
そこに書かれていた「めいめいの暮らし」とは、
既製品ではなく、各々の感性や
生活に合ったものを選び、
つくり、直しながら暮らす生き方です。
著者の秋岡さんは、工業デザインをされていた方で
大量生産の現場を目の当たりにし、
人のぬくもりの欠如へ違和感を覚えたことが
きっかけと語っています。

この本を読み、私の考え方が少し変わりました。
「家は7割を建築業者が、残りの三割は
住まい手がつくっていくのはどうか」、
「誰もが“自分の暮らしのクリエーター”になる」
というお話です。
家は、完成したものを買うことが
豊かさだとは思いません。
お打ち合わせでは、
どんな暮らしをしていきたいかを一緒に考え、
建築をしていきます。
その後、建物をお客さまに引継ぎ、
つくり手として手を加えていただき、
その時その時の生活に合わせていくことで、
豊かな暮らしにつながるのではないかと思います。

建物の価格、性能などのご相談はもちろんですが、
それだけでは単なるお買い物になってしまいます。
家はお客さまによってちがうものです。
一緒にお家づくりをしていくうえで、
暮らしに対する考え方の整理や
暮らしそのもののご提案を軸に
めいめいの住宅を設計していきたいと思います

