紙さまの話

2017.3.13

先日本屋で一冊の本を購入しました。

クリック一つで消えない、上書きもできない、

スローな伝統ツールである紙が主役の「紙さまの話」という本です。

不透明なカバーの両面に印刷された黄色とピンクのパターンが紙を折ったように見える綺麗な表紙です。

 

 

 

「あなたの大切な紙を見せてください」

紙に魅せられた著者による、各界のクリエイターやアーティストの方々への

こんな言葉から始まる様々な物語と綺麗な写真がまとめられた一冊。

旅先での切手や家族からの手紙、美しいダイレクトメールや装幀、

トイレットペーパーの包み紙や牛乳瓶のふた・・・どれもその人にとって、とっておきの大切な紙。

 

中でも惹かれたのはファッションブランドのミナペルホネンのダイレクトメールにまつわるお話。

個性的で仕掛けが凝っていたり、肌触りの良い紙を使っていたり、上質なレースで綴じられていたり・・・

今、身近にいるお客さまをどれだけ喜ばせることができるか。

受け取った人に愛着を持ってもらえるか。

そういったことを大切にしながら、どれもギフトをイメージしてつくっているそうです。

昔行ったクラフト展でもらった作家さんたちの名刺やショップカードの数々。

どれも肌触りがよかったりデザインが綺麗だったり、

そういえば今でも捨てずに大事に机にしまっているのを思い出しました。

 

 

neieでもポストカードを送ったり直接カードをお渡ししたりします。

お客さまはそれをどんな気持ちで受け取っているのだろうとこの本を読んでふと思いました。

業務的になっているのではないか、たくさん届く郵便物にうもれてはいないか・・・

無垢や漆喰、障子や石など素材感を大切にするneieの家づくりが、

1枚の紙からも感じてもらえるような、そんなもの届けたいと思いました。

 

 

最後に、私の好きな紙は以前購入したいろんな紙の端切れたちです。

色も、サイズも、厚みも、肌触りもばらばら。

置手紙につかったり、プレゼントのラッピングに添えるメッセージカードにつかったり、

自分なりに毎回相手やそのシーンに合ったものを選んでいます。

短いメッセージやイラストを描いたその時の紙を
「捨てずにとってあるよ」という声を聞いたときは、とても嬉しい気持ちになります。

 

 

by Nogishi