想いをつなぐ、家族をつなぐ

2017.12.11

今年完成した「たて庭が家族をつなぐ家」はご主人さまが育ったご実家の建て替えでした。

一緒に住まわれるお母さまとの2世帯住宅。

そんなこちらのお家の設計で大切にしたことを設計士の想いを少しだけお話しします。

2世帯住宅ならではの適度な距離感、緑がお好きな住まい手。

交通量の多い前面道路と建物に囲われた敷地に4畳半の小さな中庭を1つ。

この小さな1つの中庭が「玄関庭」「母の庭」「くつろぎの庭」「LD庭」「寝室庭」の5つの庭となり
家族をつなぐたて庭となるよう計画しました。

たて庭を介して適度につながる距離感。

 

 

 

写真は完成時のものですのでまだ葉が少ないですがちょうど今の時期は真っ赤な紅葉がそれぞれのお部屋から楽しめ、家族をつないでいることと思います。

また以前のコラムにも登場しました床柱。

 

 

ホゾ穴が開いていたり、長さが足りなかったりと見る人が見たら何でこんなと思われるかもしれませんが、そんなことはどうでもいいことでお母さまがお父さまと一緒に建てた想いはどんな立派な床柱でも敵わなく、移設された床柱を見たお母さまの嬉しそうなお顔を今でも思い出します。

何とか移設することができ本当に良かったと思います。

最後にこちらを

 

そこまで意識したわけではありませんが、どこかで一緒に住まわれるお母さまを思い、全く違ったカタチにすることを避けたのかもしれません。

住み慣れた住まいの記憶をつなぎ、新しい住まいでありながらどこか懐かしい。

そんな住まい手の記憶が継承された住まいになったのではないかと思います。

by okuma