人と建築

2019.2.8

「このソースはなんの果物かな、」
隣の人の独り言が聞こえる距離感
 
年末に訪れた宿にて、宿泊された方達とテーブルを囲いながら朝食を頂きました。
後になって知るのですが、同じテーブルで朝食を共にし、
私たちに気さくに話しかけてくれた家族連れのご主人は、ここのオーナーさんでした。

この宿は、宿泊されたお互いが同じ空間で経験をシェアできる
自宅のような隠れ家をコンセプトにしています。
 
さっきまで顔も見たことのなかった人が「このソースはなんの果物かな、」
と同じことを思っていることを知った時の親近感というか安堵感のようなものを、
共有できたことで、隣の人との距離の近さは気になりませんでした。

もちろん気さくに話しかけてくれたオーナーさんの配慮があったことも大きいですが、
おもてなしの思考が空間に落とし込まれており、気さくなスタッフさんの人柄と、
建築がうまく重なり合っていたからこそ、とても心地の良い朝食の時間を経験することができました。
 
このような体験をするといつも思いますが、
住まいに恰好の良さや精度を追い求めることも大事かもしれませんが、
それよりも住まい手と建築が上手に絡み合い、
完成したときの何倍も魅力ある姿が暮らしの中に広がることが大切なのだと感じます。
 
きっとまた訪れても新しい気付きと体験をさせてくれるSHISHI-IWA HOUSEとの出会いに感謝し、
これからも住まい手に寄り添った暮らしの形を提案していけたらと思います。
 
by yamazaki