2019.8.23

近ごろ興味を持っているのは、色です。
少し前に広島に旅行した際、
インドの建築設計集団「スタジオ・ムンバイ」が
初めて自国外で手がけた建物を訪れました。
 

 
LOG(ログ)です。
千光寺へとつながる坂の途中にある複合宿泊施設で、
昭和30年代に建てられた社宅をリノベーションした
建物です。
宿泊しない人もカフェ、バー、ショップを利用でき、
カフェを利用しました。
外壁の淡いピンク色が目を引きますが
不思議と町に馴染んでいました。
手仕事で塗られた壁で、素材感があります。
 
「ピンク」といっても色々なピンクがあるわけで、
これはコーラル(珊瑚)ピンクに感じました。
海、自然を連想させます。
ほかにもクリーム色、モス(苔)グリーンなどがあり、
これらの色は尾道に滞在しながら
現場で何度も
色の検討をしたもので、つくったカラーレシピは
114パターンにもなるのだそうです。
尾道の町の空気感がうまく色に落とし込まれています。
 

 
またカフェにはインドの工房で染め、
織られたラグなどがしつらえてあります。
尾道水道を連想させるブルー。
室内のピンクは外より少し濃いです。
床から腰壁のグレーは、ごつごつした掻き落とし
仕上げが施されています。
 

 
おだやかな光と通り抜ける風が心地良く、
色と相まって尾道の自然を五感で感じました。
外にいるような感覚でありながら包まれている安心感の
ある居心地のよさで、ずいぶん、長い時間居ました。
次回は絶対宿泊すると心に決めました。
 

 
普段、外壁の色を選ぶとき、何気なく選んでしまう
色たちは、
わたしたち人間が求めている土や緑など
自然を連想させる色だからなのかもしれません。
 
by Kawai