はじまりの家のはじまり
2021.1.8
住まいづくりの形を考えるとき、
こんな住まいがいいな、
と考えるきっかけは様々だと思います。
もうすぐ完成を迎えるお客さまとの
住まいづくりのはじまりは、
ご夫婦の手書きのメモと好きな建築や家具、
現在の住まいの写真からでした。
キッチンに並ぶ食器や
壁に立てかけられた絵画、
本棚に並ぶ本の背表紙から
テーブルの上のおやつの品揃えまで。
こんなに見てしまってもいいのでしょうか?
と思いながらも、
ズームインとアウトを繰り返し、
1番参考となった資料かもしれません。
新しい土地の、朝の光が差し込む窓際に
あのガラスの置物を置いたらどうだろうか。
反対に、あの写真に写っていた馬?の居場所は
ちゃんとこの家にあるだろうかなど。
「これからどんな暮らしをしたいか」
だけでは想像できない
その先の小さな風景が、写真の中の
「これまでどんな暮らしをしてきたか」
によって丁寧に繋がれていくような
感覚での設計や打ち合わせの日々は
とても楽しいものでした。
そんな事を考えていたこともあり、
打ち合わせの終盤、着工前に
「ずっと自分の家が欲しかったんです。
モノの居場所をちゃんと
作ってあげられるので。
きっといい家になりますよ。」
とお話をしておられたのがとても嬉しく、
最後の台詞をこちらからもそのままお返しして
お引き渡しの日を迎えられること
を楽しみに、完成を待つこの頃です。
Yanai