ただ生活するための場ではなく、家族みんなが「暮らし」を楽しめる場をつくりたい。そして、せっかく既に家が在るのだから、子どもたちが大きくなる前にそれを実現させて、一緒に暮らしを楽しむ日々を、少しでも長く過ごしたい。
施主さまとneieの建築士のそんな対話をきっかけに、二世帯住宅の2階をリノベーションしました。家に居ながら、外とのつながりを感じられる毎日。一人ひとりに心地よい居場所が散りばめられた暮らしをご紹介します。
奥さまのお母さまが1階に住み、2階にはカメラマンをされているご主人と、美容関係の仕事に就く奥さま、小学校と保育園に通う2人の息子さんがお住まいの二世帯住宅。
敷地の周りには、東側に金属片の山が積まれた解体作業場があり、外の景色を眺めることはほとんど無かったといいます。その一方で、南側には田んぼが広がり、2階からの視界がひらけていました。
neieの建築士は、南側の景色にフォーカスして、南に面した窓を広げ、外のつながりを感じられる空間を提案。暮らしの景色も、少しずつ広がっていきました。
それまでエアコンの室外機が無造作に置かれ、使われることの無かったバルコニー。機器を取り払い、天気のいい日は朝ごはんを食べたり、夕涼みをしたりできるように、デッキとしての役割を持たせたスペースへ。プランターで家庭菜園や植栽を楽しめるように、新しくバルコニー向けの水道栓もつくりました。
2人の男の子がやがて大きく成長しても、ゆっくり家族との過ごせるように、3.6mのソファを造作。テレビはあえて部屋の片隅に配し、リビングの主役をテレビではなく、家族の団らんや静かに寛ぐひとときを大切にしてもらえる空間になっています。
キッチンのそばに設えた子ども部屋も、既製のフレームや家具を組み合わせるのではなく、すべて造作。お子さまが家族とのつながりを感じながらも、居心地よく一人の時間を過ごせるように、ほど良く部屋を狭め、そのスペースを嵩張る寝具などの収納空間にあてています。
美容に関わる仕事をされていて、メイクが好きという奥さまのために、小窓から自然光が美しく注ぐ場所を見つけ、洗面台とメイク用のカウンターを設えました。これまでよりさらにメイクの時間が楽しいものになったと、喜びの声をいただいています。
収納が苦手というご家族のために、物にも居場所をつくり、それぞれの在るべき位置を定めることにしました。後付けで棚を増やすのではなく、建築的なアプローチとして物が在るべき場所を見定め、用途や使う場所に合わせた整理を行いました。
カメラマンとして独立され、自宅のデスクで写真のセレクトや仕上げをされる時間も多いご主人。部屋を完全に仕切るのではなく、上部から心地よく風と光が注ぎ、集中しながらも家族や外とのつながりを感じられる空間へ。仕事がより一層、捗るようになりました。
家の中のどこに居ても、外とのつながりを感じられるように、自然光がほど良い光量で各部屋へ届き、風が心地よく全体へ行き渡る空間へ。
これまでは、光を遮り、プライベート性を守るために使われてきたカーテンも、風の心地よさを視覚的に伝えてくれる存在として、新たな意味を持つようになりました。
およそ22坪(72㎡)と、決して潤沢とは言えないスペース。空間すべての場所が活かされ、ご家族の暮らしの楽しみにつながっていくように、既存の造りや、家の内と外との関係に新たな意味を見出し、実際の広さ以上に暮らしの広がりを感じていただけるような建築が生まれました。
生活の場ではなく、暮らしを楽しめる場として、これからもご家族の毎日が、幾つもの喜びで満たされていくことを願っています。

土地や建物、予算などについてのちょっとしたご相談に、専門スタッフがLINEでお応えいたします。
家づくりに関するご不安やご要望など、お気軽にお問い合せください。