小さな季節

2021.6.25

以前旅行に行ったときに立ち寄った器屋で
小壺を購入したことがありました。
女性の店主がお一人で営んでいるお店は
こだわりの品々が所狭しと置かれており、
店内に一歩入った瞬間から心躍ったのを
覚えています。
 

 
元々はどんぶりになるようなサイズの器を
探していたのですが、
棚の上にちょこんとのっていた
これがどうしても気になってしまい…
結局連れて帰ってきてしまいました。
 
その店主はとても楽しそうに
その器がどういう作り方をしているのか、
どんな作家さんが作っているのか、
どういう経緯でこのお店に来たのかを
話してくださいました。
 
この小壺は珍しく林檎の灰を使って
作っているそうです。
たくさん焼いても多くは割れてしまい、
唯一入ってきたのがこれなのだと。
その背景を知っていると何かを飾るとき
ふと思い出し更に愛着がわきます。
 

 
花瓶ではないし小さいので
そもそも活けられる植物が限られていて
決して使いやすい訳ではないけれど、
そのぶん見落としてしまうような
小さな季節の移ろいを伝えてくれます。
 

 
これからも大切に使っていきたいです。
 
Hachiri