めいめいの暮らし

2025.12.5

「家づくりの考え方を共有したい」
とお客さまから本を貸していただきました。
 
そこに書かれていた「めいめいの暮らし」とは、
既製品ではなく、各々の感性や
生活に合ったものを選び、
つくり、直しながら暮らす生き方です。
 
著者の秋岡さんは、工業デザインをされていた方で
大量生産の現場を目の当たりにし、
人のぬくもりの欠如へ違和感を覚えたことが
きっかけと語っています。
 

 
この本を読み、私の考え方が少し変わりました。
「家は7割を建築業者が、残りの三割は
住まい手がつくっていくのはどうか」、
「誰もが“自分の暮らしのクリエーター”になる」
というお話です。
 
家は、完成したものを買うことが
豊かさだとは思いません。
お打ち合わせでは、
どんな暮らしをしていきたいかを一緒に考え、
建築をしていきます。
その後、建物をお客さまに引継ぎ、
つくり手として手を加えていただき、
その時その時の生活に合わせていくことで、
豊かな暮らしにつながるのではないかと思います。
 

 
建物の価格、性能などのご相談はもちろんですが、
それだけでは単なるお買い物になってしまいます。
家はお客さまによってちがうものです。
 
一緒にお家づくりをしていくうえで、
暮らしに対する考え方の整理や
暮らしそのもののご提案を軸に
めいめいの住宅を設計していきたいと思います。
 
Inaba