軽井沢の山荘

2016.10.31

軽井沢に 建築家 吉村順三の代表作 脇田山荘があります。

年に一度内部を公開しており今回機会がありましたので見学してきました。

 

中庭を囲うように折れ曲がった形で配置されており、1階がコンクリートのピロティ、居住空間の2階が木造となっており空中に浮いているかのように見えます。

渡り廊下部分の屋根・外壁を区切ることで陰影が生れ、全体的に細長い建物が単調なデザインとならないようにしてあるのではと個人的に感じます。

 


内部は天井が低く抑えられた空間となっておりますが圧迫感は感じられずむしろ落ち着いた感じを受けます。薪ストーブと 床、ソファなど原色を使った色使いが印象的です。

リビングテーブル、ソファ等の家具や照明器具なども建物に合わせデザインされておりこういった備品にもこだわりを感じることができます。

 


ダイニングのペンダントを近くで見るとフレームにビニールテープを巻きつけて仕上げてあるのには驚きました。

 

吉村建築の特徴の一つでもある全開放できる開口部。掃出し窓に近い形ですが高さを抑え横に広がる形で外部と繋がっています。2階なので窓際までいくと人によってはちょっと怖いと感じるかもしれませんが床面より高さを上げて境界を作ることで緩和されているように思います。


 

竣工が1970年と 長い月日が経っており建物の素材も時の経過を感じる風合です。それが見苦しいと感じないのは自然の素材が人になじむからだと思います。

人工的に作り上げた新建材で取り囲まれた空間では生み出せない空間を感じます。

今の時代は全てを自然素材で作り上げるのは難しくなっていますが 時が経ってもよりよく感じることができる家を考えていきたいと思います。

 

 

by sumida