“まち”の表情

2017.1.23

1 つの建築を点とするなら、“まち”は点の集合からできています。

 

例えば、フランス・パリは凱旋門や広場を中心として、

放射状に伸びる大きな道が印象的かと思います。

 

また、イギリスの田園都市ではその思想に基づいて、1 つの街の中に
“働くところ”、 “住むところ”、“安らぐところ”が良い距離感で共存しています。

 

日本はどうでしょうか。

例えば京都。

寺社を巡る石段や緩い坂が散策路となり、変化に富んだ景観がつくられています。

 

“昔からあるまち”だけではなく、住民の意思によって再構築されたものもあります。

伊勢神宮の内宮前にある、おはらい町です。

 

今でこそ、お伊勢参りの名物として活気ある町ですが、

無秩序に現れた現代的なデザインによって、20 年前までは客足が少なかったそうです。

 

そこで、地元の人々の協力で、「お伊勢さん」の風格にそぐわない看板や電柱を排除し、

町のルールによって、今の景観を作り上げたそうです。

 

“まち”を歩くとき、“偶然そこに残ったもの”として見るのではなく、

そこで生活を営む人たちの想いを少しでも共有できたら、

その足取りがよりわくわくするものに変わる気がしています。

 

by ogawa