季節をつめこむ
2017.1.16
季節の移ろいを感じたとき、何だか幸せな気持ちになったことはありませんか。
先日、建築家の堀部安嗣さんが手掛けたパティスリーカフェへ行きました。
田園風景の中に急に現れるその建物は、
冬の少し寂しげな景色の中でも「どしっ」と力強く、
しかし、周りの風景に溶け込むようにして建っていました。
建物はとても素敵で、室内から見える景色も
周りの環境を感じられるダイナミックなものでした。
それに加えて、いただいたケーキの味もコーヒーの味も
びっくりするくらいおいしくて
とても素敵な時間を過ごすことが出来ました。
ふと、メニュー表の裏を見てみると、
そこには店主の方の言葉が綴られていました。
農園に足をはこび、農家の方とお会いして話をして、いろいろ教わったこと。
実際にお菓子づくりに使用する果実がどの様につくられているかを見てきたこと。
自分たちが日常の中で感じている季節の移ろいを
農家の方が大切に育てた季節の果実をつかって
ていねいにお菓子に詰め込んでお客様に伝えたい。
そういう想いでお菓子をつくっているということ。
ゆっくりと過ごしてもらいながら、景色から、お菓子から
季節を感じてほしいということ。
居心地の良さも、ケーキの味も、コーヒーの味も。
店主の方のそんな想いからていねいにつくり出されているのだと
とても感激して、何だかとてもしっくりきたのでした。
そして、私たちがしている設計という仕事も、
家づくりに携わる多くの人と一緒に
季節の移ろいを感じる仕掛けをお家につめこんでお客様にお伝えできる
そんな仕事だと思いました。
私もしっかりと想いをもって、ていねいな仕事をしたいと思いました。
by kumazaki