紺屋海道

2015.10.6

「おはよう。いってらっしゃい。」
毎朝この言葉をきくと、今日も1日頑張ろうという気持ちになります。
今回は、私のお気に入りの通勤路を紹介したいと思います。

私の育った街には、江戸時代に特産であった酒や酢、木綿を運ぶために開かれた運河があり、今でも運河沿いに黒板囲いの醸造蔵が数多く建ち並んでおります。

 

 

つい数年前までは、実際にこの蔵で酢の生産をしていました。
小学生のころ、毎日ここを通る度に匂った強烈な酢の香りがしなくなって少し寂しい気持ちになります。

 

 

運河沿いを外れ「紺屋海道」を通ります。

 

 

ここは、同じく江戸時代に運河までの産業のメイン道路として栄えていたと言われております。
しかしどんな歴史資料にも記録はなく、紺屋海道は地元に住んでいる人達の中で語り継がれてきました。
ここには明治8年創業の手焼き煎餅のお店があって、お婆ちゃんが毎朝7時から煎餅を焼いています。

 

朝7時前にここを通ると、暖簾を上げるお婆ちゃんが「おはよう。いってらっしゃい。」と声をかけてくれます。時間に余裕があるときは少しお話しをしてから駅へ向かいます。
古い建物や素晴らしい建築を眺めることも楽しいですが、そこに住んでいる街の人とお話しをしてみると、より一層楽しめるような気がします。

 

by kikuchi