今日ここに暮らす一人の人として
2017.9.25
コップの中で、時々音をたてながらゆっくりと溶けていく氷。
色褪せた葉が地面の上でくずれ、今日明日には消えてしまいそうな姿。
ずっと前から近所にたつアパートの何色とも言い表せない不思議な壁の色。
今日も画面の上で日付を確認し、時計を眺めながら日々を過ごしている中で、
身のまわりで刻々と変化していく小さな景色に目を向けられた時、
本来流れているはずの数字では刻みきれない時間の中に自分が存在していることに改めて気が付きます。
ある一日の朝を過ごす場所であり、
一つの季節を過ごす場所であり、
一人の人が何十年と歳をとっていく住宅という場所。
スケールや素材による居心地はもちろん、どんな時間の中に居場所をあたえ、居心地をつくっていくことができるのか。
住宅設計という仕事に関わる以前に、今日ここに暮らす一人の人として
まわりを丁寧に見つめながら考えていけたらと思います。
by yanai