陰翳の世界

2018.5.7

皆さまゴールデンウィークいかがお過ごしになりましたでしょうか。
天候に恵まれた日が多く、初夏に向け周りの景色がより一層色彩豊かになってまいりました。
日の入りも長くなり、気がつけばひと月程で夏至を迎えます。

 

先日、日の延びた夕刻にご来場されたお客様に
「夜の雰囲気も見てみたい。」
とおっしゃっていただきました。

昼間には暖かな陽の光が差し込む室内も
夜には暖色の謙虚な灯りが陰影の美しい落ち着きのある空間へと表情を変えます。

 

そもそも日本の住宅照明は世界の中でも群を抜いて明るいのだそうです。
戦後の経済成長と同じくして蛍光灯の普及が進み、今日に至りました。
日本の住宅照明が明かりの元、生産性や安全といった意味合いを持つ中、
海外では、インテリアとしての意味合いが強く、
陰影が素材の質感を際立たせると共に安らぎを演出します。

 

私共も後者の考えで照明計画をしております。

谷崎潤一郎が著書「陰翳礼讃」で嘆いた
「われわれがすでに失いつつある陰影の世界」
を皆さまの暮らしにお届けできればと思います。

 

by shinada