新大阪ステーションホテル353号室

2018.7.9

先日、中村好文さんが改修設計された、大阪にある新大阪ステーションホテルを訪れました。

書籍等で読んだことはあったのですが、

やっぱり実際に訪れると、勉強になることがたくさんあります。

まず、ホテルに入ると一通り採寸してラフに図面化します。

実際に体感した空間を、自分の手で覚えるといいますか、

そんな感じで体に染み込ませていきます。

すると、自分がプランで悩んでいるときに、絵描こうとしているこの手が思い出してくれて、無意識のうちによい空間が、ちょこちょこっと顔を出してくれたりします。

  

以前、建築設計がうまくなる秘訣を教えていただいたことがあります。

それは、「おいしい料理を食べること」だと。

その意味は、「よい建築を体感していないと、よい設計はできないよ」という教えです。

そして、もうひとつご馳走をよりおいしく頂くコツがあります。

それは、その料理がどんな状況でそこに在るのかを知ることです。

なぜ、それが必要になったのかと、置き換えてもいいかもしれません。

それを、理解するためにはその料理(建築)を、遠くから眺めてみることが一番です。

 

すると、

今いる場所はどんなところなのか…

人や物の流れはどこへ向かっているのか…

なぜここに人が集まってきたのか…

人は何を欲しているのか…

昔はどんなところで、この先はどうなっていくのがよいのだろうか…

など、いろいろなものが見えてきます。

それがわかると、なぜこの料理(建築)をおいしいと感じたのか、わかってきたりします。

 

いつかお会いしたときに、おいしいと思った料理(建築)があったならば、

いっしょに少しお話したいです。

そしていつの日か、おいしい料理(建築)で、そっとおもてなしができればと。

 

By hatakeyama