その土地に住む
2018.7.1
みなさまは地図がお好きでしょうか?
わたしは、地図をみて昔のその場所や、昔そこに住んでいた人の暮らしを想像するのが好きです。
先日東京で観光バス「はとバス」の2階建てオープンバスに乗車しました。
歩道橋の下を頭すれすれで通過したり同じ目線に信号機があったりと
普段とは全く違う目線で東京のまちを見ることができます。
1時間で主要な場所を巡るドライブコースはバスから降りることはできませんが、
風を感じながら・ガイドさんの案内を聞きながら楽しめました。
東京駅からスタートし、行政機関の集まる霞ヶ関→国会議事堂→オフィス街の虎ノ門
→東京タワー→レインボーブリッジ→お台場→築地→銀座と進みます。
まち並みをみて、それぞれの土地の持つなんとも言えない空気に触れ、
ふと一冊の本を思い出しました。
【アースダイバー 中沢新一著】
学生時代、先生にお借りして読んだ本です。
縄文時代にまで遡り独自の切口で東京のまちの成り立ちを綴った本だったと思います。
昔東京は湿地帯で現在の陸のほうへ奥深く海が入り込んでいたといいます。
そして今残る寺社のほとんどは昔の地図で云う海に近い陸の端っこであるようです。
本を読んでからというもの地図をじっと見ていると
ここは新しい土地と古い土地の境界かなと思うところに寺社があったりして、
密かにやっぱりねと思ったりします。
土地にはそれぞれ異なる性質があり、
そして目には見えないパワーを持っているように感じます。
世界にひとつのその土地の、
パワーを生かした設計ができたらなと思っています。
by kawai