夏を旨とすべし
2018.7.27
暑いですね…
こんな暑さの中でお仕事をしてくれている協力会社さんや施工監督さんには
本当に頭が下がります…
「家のつくりようは夏を旨とすべし。」
徒然草の有名なフレーズです。
湿潤な気候の日本では、家は夏の過ごしやすさを一番に考えた家がいいと唱えています。
みなさんもどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか?
私はこの冬の間は高山で過ごしていました。
高山には昔のままの古民家を利用したお店などがたくさんあります。
そのお店に並んでいる素敵な雑貨やおいしそうな食べ物にも負けず劣らず、
お店の佇まいや細かなつくりなどが、私をわくわくさせてくれました。
木製の建具ががたがたと引っかかりながら開かれ、
もちろん冬だったので、冷たい隙間風が吹き込みます。
だるまストーブを囲んで談笑していると、ほっこりととても暖かく感じたのを覚えています。
冬場、本当に寒い高山ですが、意外とその地にある古民家の開口部は大胆に大きく、数も多いのです。
「この家は夏が一番気持ちいいんだけどね」と屋根裏部屋の開口部をふさいでいた板を家主さんがはずすと、
その開口部から、雪景色と冷たい風が飛び込んできたのを覚えています。
今、その古民家の開け放した開口からは
青々とした緑が見え、気持ちいい風が家中をめぐっているのだと思います。
きっとその家も長く厳しい冬に耐え、
待ちに待った夏を、大きな喜びで人々と精一杯楽しんでいるのでは…
毎日暑くて溶けそうですが、夏を楽しみにまたあの古民家へ行きたいと思います。
家のつくりようは夏を旨とすべし。
by shirahata