その街の景色

2018.8.3

暮らしの痕跡を、その街の景色からみつけることがあります。

愛知県にある常滑市は古くから質の良い土に恵まれた焼き物の産地です。

急須や衛生陶器、巨大招き猫のとこにゃんなどでご存じの方も多いはず。

私たちの目に触れる身近な焼き物を数多く作っている常滑ですが、

かつては日本のインフラを支える焼き物をつくっていました。

それは、全国の上下水道管として
利用されていた土管です。

現代ではその役目を終えつくられることのなくなった土管ですが、

明治から昭和初期に大量生産された当時の面影を
今もなお常滑の街なかで感じることができます。

建物の基礎がまさかの土管なのです。

そして擁壁や土留めも土管。

よく観察をしてみると、

当時一緒に大量生産されていた焼酎瓶と組み合わせてデザインパターンが生まれていたり、

土管の穴からはお花が咲いていたり(排水もできて理にかなっているところが感動ものです)と、

本来の用途である土木のお堅いイメージを揺るがすユニークな表情で
街を歩く人達を楽しませてくれます。

これらは当時、市場に出まわることのできなかったB級品、
いわゆる産業廃棄物を使って、その処分に困った街に住む人がつくりあげました。

そういったネガティブな素材が、

街の人の働きで今ではとても面白い観光資源になっています。

そんな日本のもったいない精神の素晴らしさをひしひしと感じることができる街、常滑。

 

その街特有の景色を探し求め、また別の街も歩いてみたいなと思います。

 

by kimata