継ぐ装い

2019.12.13

着付けを習い始めたきっかけは学生時代の友人が
結婚式に和服でさっそうと現れたことでした。
聞けば彼女の祖母の着物を借りたそう。
そういえば、と思い返してみると
実家に眠ったままの祖母と母の着物。
せっかくだから着てみたいと思ったことが
始まりでした。
 

祖母の着物に母の帯。帯留めは旅先で見つけたもの。

 
習ってみると意外と簡単。
何より知らなかった事を知るのはとても楽しくて、
それまで見向きもしなかった箪笥の中身が
宝の山だということに気づきました。
 

母の紬に私の帯。

 
和服のおもしろいなと感じるところは、
生地や柄だけではなく色の組み合わせでも
季節を表現できるところ。
同じ着物、同じ帯でも春先には萌黄色や菫色、
秋口には黄朽葉色や柿色の帯揚げにするだけで
ガラリと雰囲気が変わります。
昔から四季を身近に感じ装いの中に
取り込んできたのかと思うと、
日本の文化はとても素敵だなと改めて感じました。
 

帯留めは旅先で見つけたものや、頂いたもの、一目ぼれした
ものなど。
紐との合わせを考えるのも楽しみの一つです。

 
祖母と母の思い出を彩った(であろう)着物。
これからは私の思い出にも色を加えてくれるはず。
それがとても楽しみです。
そしていつか、別の誰かの彩になればと思います。
 
by Hachiri