「建築は詩」吉村順三

2020.1.10

ある設計スタッフの机にあったこの書籍。
数ページ読んで、すぐさま自分も購入しました。
建築家吉村順三さんが発した言葉をまとめた本で、
どれも心に刺さる言葉ばかりです。
 
吉村順三氏は、戦前~平成初頭までを生きられた
建築家で、
大きな時代の変化を体感する中で、
建築家としても様々な事を感じられたはずで、
この一冊の本にまとめられた氏の言葉には、時代が
変わった今になっても納得するものが多いです。
家づくりを考えている方も一度読まれてもいいと
思います。
 

 
・日本の気持ちから出てきたものをつくるべき、
つまり簡素でありながら美しいもの。
・日本のもっている素直さ、正直さ、合理性、
いつかそういう時代に戻るのではないか。
・良いデザインの基本は、プロポーション。
・建築は、はじめに造形があるのではなく、
はじめに人間の生活があり、心の豊かさを創り出す
ものでなければならない。
そのために設計は
奇をてらわず、単純明快でなければならない。
 
心に残ったいくつかの言葉の中に、
自分が普段考えていた事と同じような例もあり、
何だか背中を押されている気分になり、
時々読み返したくなる本となりました。
 
また、この本の中には建築賞などの評価に対する、
氏の想いも綴られており、
ふと決めたのですが、2020年の目標として、
自ら設計した住宅で地元の建築賞へ応募したいです。
私たちがつくる家は決して派手なものではないので、
賞の評価に値するかは分かりませんが、
いつも考えている豊かな暮らしの価値観を、
賞を通して社会に伝えてゆくべきなのではないかと、
本を読みながら思いました。
 
偉大な建築家のスピリットを胸に、
今年も設計に励みます。
 
by Yamada