使い継ぐ
2020.7.3
わが家では毎日、
木のテーブルを囲って食事をします。
無垢の天板を2枚継ぎ合わせ、
1本の脚で支えたシンプルなつくりです。
わたしはここで庭を横に見ながら食事をとる時間が
とても好きです。
しとしと雨が降るときはひんやり、しっとりした
手ざわりになり
冬のさむい日はほんのり
あたたかさが感じられます。
頬を近づけると木のいい香りがするので
うたたねするのにも気持ちがいいです。
元々この木は祖父のもつ山から採ってきたもので、
家を建てるときに母のために山で一番いい木を
選んでくれたそうです。
わたしが生まれたときから使っているものですので、
もう20年以上経つでしょうか。
鍋の丸い跡がついていたり、
年輪が少し浮き出てきていたり、
よく手をかけるところは角がまるくなっていたり。
生活の記録が刻まれています。
年輪を数えると、ざっと200年。
祖父よりも前の世代からある木だとすると
長い年月を感じます。
祖父からわたしたち家族のもとへときたように、
また次の使い手のもとへ使い継がれていくことを
想像します。
もしかしたら、次はテーブルではない
別の何かに変わるかもしれません。
わたしたちが手掛ける家も20年後、30年後、
次の世代へと住み継がれていくような家づくりを
したいと思います。
Hiromi