地球家族 -世界30か国のふつうの暮らし-

2020.8.14

 

 
この本は世界30か国の「ふつうの暮らし」を訪ね、
「家の中の物を全部出してください」とお願いし、
家具などの持ち物をほぼ全て屋外に運び出し
写真に収めています。
1990年代に記録されたもので、今では変化した
部分も多々あるかとは思いますが、
見ていくと世界の平均的な家族が
どんな物に囲まれ、どんな暮らしをしているかが
とてもよく分かります。
 
本の前半は写真を中心にして家族の持ち物と
暮らしを紹介し、
後半は各国の統計データ・
家族のプロフィールや質問、カメラマンが感じた
ことが記載されています。
家族への質問内容が面白く、大切なもの、
ほしいもの、成功の印、現在の仕事・
ライフスタイル、
食生活に満足しているか、
自分たちを豊かだと思うか、貧しいと思うか、
両親より良い生活をしているかなどなど…。
それぞれの回答から各国の価値観や暮らしぶりを
想像してみるのも楽しいです。
お国柄がでる生活用品をひとつひとつ見ていくのも
面白いのですが、物量の違いには正直驚きました。
 

 
表紙にもなっているマリの家族は、
家の屋上に家財道具を並べています。
その大半が鍋や壺などの調理器具、
それとベッドと椅子。ここにあるものは
「食べる道具」と「寝る道具」だけ。
人間ってこれだけの道具で生活ができるのですね。
 

 
これと対照的なのが日本です。
東京郊外の一戸建てに住む4人家族が
こたつに入っています。
2階建て130㎡に入っていた膨大な家財道具。
30か国のなかで一番ごちゃごちゃした印象です。
ものが少ないけれど幸せそうな笑顔で写っている
世界の国々の家族を見ると、
もの多さと幸せは必ずしも比例しないという事実を
突きつけられているような気がします。
自身の生活を見直すきっかけになりそうです。
 
Yamazaki