ノスタルジー

2021.8.27

初めて訪れるところなのになぜか懐かしく
いつまでも身を置きたくなるような感覚。
 
なんだかいいなと思う空間にはどれもこの感覚が宿っているように思います。
 
以前訪れた河井寛次郎記念館。
 
大通りからひと筋それて路地に入った閑静な住宅街。
京の町に溶け込んでひっそりと建ち並んでいました。
 
室内のほどよい暗がりと、
そのおかげで一層引き立てられた鮮烈な緑。
 

 
時間の経過によって磨かれた艶のある木素材。
 

 
障子越しのやわらかい光。
 

 
ここに住めばどれだけ楽しいだろうと心がはずむ動線。
 

 
風が鼻先に触れる時のじんわりと湿った感覚と住まいのにおい。
 

 
慌ただしい日々の中、
油断するとすぐに忘れてしまいそうな
こういった情緒的な感覚を
ふと思い出せるような住まいがこれからの時代
いっそう大切になってくるのではないのかなと思います。
 

 
Takenaka