自然色

2021.11.12

日本には四季があり、
一年を通して様々な景色を生み出します。
その中でも、秋が一番好きという方も
多いのではないでしょうか。
 
私は秋になると訪れる場所があります。
京都市左京区にある「瑠璃光院」という寺院です。
 
コロナウイルスの影響もあり、
昨年は訪れることが出来ませんでした。
まだまだ、油断できない状況が続いているので、
今年も難しいかもしれませんが
過去に撮影した写真を用いて
皆さまにご紹介させていただければと思います。
 
叡山電鉄の出町柳駅から八瀬比叡山口駅までは
電車で移動します。

 

瑠璃光院の大きな特徴は、
瑠璃の庭と呼ばれる庭園です。
数十種の苔の力強い緑と、
楓の木の鮮やかな紅葉が目を見張ります。

 

二階の書院に置かれた机に反射する紅葉は
何度見ても幻想的な光景です。

 

紅葉の鮮やかな色は、赤でもなく橙でもなく、
少し緑が混ざっているような
再現が難しい不思議な色です。
 
そんな不思議な色たちは自然色と呼ばれ、
私たちの生活に溶け込んでいます。
自然色は馴染みやすく飽きの来ない
大切なモノと私は考えています。
 
力強く美しい木材や、柔らかな陰影が美しい漆喰、
しっとりと重量感のある石材などは
寺院や日本家屋などに多く使われてきた自然色であり、
自然素材です。
 
初めは自然素材たちも製材され
傷一つない生まれたての状態ですが、
日々生活をしていく中で、
それらが深みを増し自然色へと変化します。
 
そんな自然色によって構成される空間が
人に安らぎを与えるのかもしれません。
 
Nonaka