愛着
学生時代、デザインの研究室で「愛着」について
研究していました。
愛着のあるものは長く大切にされ、
デザインにおいて愛着をもってもらうことは
すごく大切なことだと思います。
人が何かに「愛着」をもつのはなぜなのか。
何が原因で「愛着」が生まれるのか。
どんなものに「愛着」をもつのか。
必死に答えを探していましたが、
結論から言ってしまうと決まった答えは
導き出せませんでした。
大切な人からもらったプレゼント
小さいころから一緒に寝ていたぬいぐるみ
使い続けてようやく馴染んできた革の靴
貯金し続けてついに買えた時計
実家で飼っているペット
友人に聞いた愛着のあるモノは
いくら挙げてもきりがありません。
一人一人が全く違うものに対して
全く違った理由で愛着を持っているのです。
しかし、そんな中でもわかったことが一つあります。
それは “自分だけが知っている何か” を持ったモノに
愛着がわくということです。
それは手触りの良さや
かわいらしさなどはもちろんのこと、
生地の汚れや、革の傷、ワンちゃんのいたずらなどの
ネガティブな一面も
愛着がわく
大切な要素となるということです。
あの時ぶつけて傷ついたなーなんて
思い返してみるとより愛着がわいてくるような…
お家に使われている木や漆喰のような自然素材は
肌触りがよく室内環境にも良いとされている反面、
経年変化やメンテナンスが大変と
言われることも多いです。
しかしながら、
日に当たって色が変わっていく床、
濡れてできたシミ、
そんな一面も
丁寧に手入れをしながら住み続けていくことで
一層愛着のわく自分らしいお家に
なっていくような気がします。
「愛着」を持って数年、数十年と
長く大切に住みたいと思っていただけるようなお家を
お客さまと一緒につくっていきたいです。
Mori