待ち時間

2022.1.7

先日、太陽が海に沈んでいくまでの間を
しばらく待って、
ぼーっと眺めて過ごす時間がありました。
その間、海を背景に目に映るのは、
自転車で堤防を通り過ぎて行く人、
海に石を投げ入れて遊ぶ親子、
変わらずじっと釣りをする人などの影など。
時間はっきりとは覚えていませんが、
夕暮れ時の人々が影絵のように
行きかう姿を眺めながら、
「日が暮れるまでの待ち時間」として
過ごした貴重な時間でした。

「何かを待つ間の時間」は
人によっては勿体無い時間として、
別の時間で埋められてしまいがちですが、
朝日が登ってくるまでの間、
パンが焼けるまでの間、
家族が帰ってくるまでの間など、
時計の枠を外した時に残る感覚的な光や音、匂い、
感情であえて楽しむ待ち時間も
時には大切にしたい時間の一つです。

先日設計した住まいでは、
お庭を切り取った大きな窓の正面に薪ストーブを計画しました。
寒くなってくるこれからの季節、
少しずつ暗くなっていくお庭を背景に
薪ストーブの火が段々と温かく見えてくる間の時間を
楽しんでいただけていたらいいなと
思いだしたりもした待ち時間でした。
 
Yanai