原風景

2022.12.9

原風景とは、人の心の奥にある原初の風景。
懐かしさの感情を伴うことが多い。
また実在する風景であるよりは、
心象風景である場合もある。
個人のものの考え方や感じ方に
大きな影響を及ぼすことがある。
 
と辞書にはあります。
 
私はいつもこの原風景がご家族、お子さまにとって
どんなものになるのか思いを馳せ、
お子さまたちが大きくなった際に
立ち戻れる場所になれるよう
設計を行うようにしております。
 
私の原風景は石川県能登中島の
大工であった祖父が建てた民家でした。
当時は居間と呼ばれる畳のリビングに
コタツが1つ。
寒い冬の中、
大きな家の中を居間まで走りコタツに入り
東の低い方から登ってくる朝日に目を細めながら
隣の台所で祖母と母が
朝食を作ってくれている風景を眺めていました。
この風景がいくつになっても忘れられません。
 

 

 
小学校高学年になり、都会の中に引越し、
その後色々な所を転々としてきましたが、
大きな決断をするときはいつもこの風景を思い出します。
 
景色だけではなく鼻がつんとする冬の寒さや、
コタツで足だけ温まり頭が冴えていく感覚や
朝日がどれだけ美しいのか感じた瞬間を思い出します。
 
人は色んな局面で決断をしなくてはいけない事があります。
 
そんな時に立ち戻られる場所、
記憶の中の思い出の場所を
作っていきたいと思っております。
 
Ikuma