小さな気づき

2023.6.9

私は陶器が身近にある環境で育ちました。
 
久しぶりに地元に帰って散歩をしていた際、
土の香りが懐かしく、
「乾かしている陶器を落とし
て怒られたこともあったな」と
昔の記憶を思いだしながら歩いていると、
仕事柄、町の見え方に少し変化もありました。
 
簡易的な屋根の増築が
人と陶器を休める場所になっていること。
風通しを考えた窓の位置、建物の配置。
窯で使われなくなった道具が
生垣の素材に使われていること。
陶器を運ぶための箱が道路沿いに並び、
古い建物を彩る様子。
 

 
なんとなく歩いていた風景の中に
先人の知恵や思い、遊び心が
ちりばめられていたことに対しての気づき、発見が、
少し楽しくもあり、よりこの風景を
好きになる瞬間でもありました。
 
住宅においても、歳月を重ねていく中で、
新たな発見や気づきが豊かな暮らしの一部であり
住宅を好きになる瞬間でもあります。
そういった小さな喜びの瞬間を与えられるような
住宅を大事に設計していきたいです。
 
kurachi