ちひろ美術館
2023.7.7
お客様とお話していると
「neieのお家は天井が低いですよね」と
言われる事が多々あります。
天井を低く抑えた空間をつくる理由としては、
外観のボリュームを小さくするため、
天井が高い空間とメリハリをつけるため、
落ち着ける空間にするため…など様々です。
先日訪れた安曇野に在る「ちひろ美術館」で
天井の低さからくる居心地の良さを体感したので
ご紹介します。
![](https://neie.jp/wp/wp-content/uploads/2023/07/1_sp.jpg)
こちらの美術館は東京のちひろ美術館と同じく
内藤廣さんの設計です。
中庭を取り囲む雁行した平面や
切妻屋根の反復が目を引く建物ですが、
実際に訪れて強く感じた印象は、
ヒューマンスケールで作られた
とても居心地の良い空間ということでした。
![](https://neie.jp/wp/wp-content/uploads/2023/07/2_sp.jpg)
この居心地の良さは何処からくるのだろうと
思考した時に、
天井の木架構の美しさや素材感は元より、
窓廻りの低い天井が居心地のよさを
際立てていると感じました。
低天井の窓廻りには椅子が点在していて
椅子に腰をかけてみると居心地のよさが
より実感できます。
![](https://neie.jp/wp/wp-content/uploads/2023/07/3_sp.jpg)
建物自体の規模は住宅と比べると全く異なりますが
館内の中村好文さんの
ちいさくて可愛らしい椅子たちは
このヒューマンスケールでつくられた建物に
とても馴染んでいました。
展示をみるためだけでなく
ふらっと立ち寄ってくつろぎたい、
家の近くにあったらいいな。
と思うとても居心地の良い素敵な建築でした。
必ずしも天井が低い空間が
良いというわけではありません。
しかし天井の高さと居心地は
とても密接な関係にあると思います。
天井が低い=小さい、圧迫感があると
マイナスなイメージだけではなく
魅力もあることが伝わればと思います。
Endo