食事について

2025.3.28

食事とは、人の体を形づくる一番大切なものです。
それだけではありません。
 

 
食事には、文化や人と人をつなぐコミュニケーション、
そして生きる楽しさを教えてくれる
そんな深い役割があります。
 
先日、私は入院生活の中で
「絶食治療」を経験しました。
その期間、食べることがどれほど
日常の大切な一部だったのか、思い知らされました。
毎日の中で、つい当たり前だと思いがちだった
「味のあるものを口にする喜び」。
それがこんなにも心を満たしてくれるものだった
のだと、初めて気づきました。
 

 
食べるだけではありません。
食事を準備する時間もまた、日々の中で
かけがえのない楽しみの一つです。
 

 
一日の三食を用意するのは決して楽な作業では
ありませんが、その過程にも喜びがあります。
 
私は家づくりに携わる中で、
料理をすることが楽しくなるような
キッチン作りを設計時に心がけています。
 

 
たとえば、誰がどのタイミングで
どのような景色を見ながら料理するのか。
誰がその風景をどのように見ながら
食事の時間を待つのか。
出来上がった料理をみんなで囲む空間は、
どんな色や温かさを持っているのか。
そんなひとつひとつのシーンを思い浮かべながら、
設計をしています。
 
私は料理が特別上手というわけではありませんが、
それでも料理をすることが大好きです。
特に盛り付けの瞬間が好きです。
どのお皿にどのような料理を盛れば
より美味しそうに見えるのか。
 
食べてくれる人が「美味しそうだね」と
微笑んでくれることを想像しながら、
その瞬間を心から楽しんでいます。
 

 
食事は、ただ体を満たすものではなく、
心を豊かにするもの。
毎日の生活の中でとても大事な時間となるように
その思いを胸に、これからも家づくりに
携わっていきたいと思っています。
 
Ikuma