見上げた景色

2025.10.10

天井を眺めることがすきです。
 
なぜ天井を眺めるようになったかを考えてみると、
木に生えたコケや、葉っぱの隙間から見える空、
不規則に伸びた枝を
ぼーっと眺めることがすきだった延長で、
室内でもなんとなく
天井を見上げていたからだと思います。
 
建仁寺の双龍図や
西洋の教会に描かれたフレスコ画のように
天井が強調された建物もありますが、
普段天井はあまり目立つ存在になることはありません。
それにもかかわらず、
よく見るとすばらしい技術や技法、
ささやかな思いやりが詰められており、
眺めていても飽きることがありません。
 
下の写真は順に桂離宮、東大寺、プラハ城の天井です。
桂離宮=日本庭園、東大寺=大仏、プラハ城=ミュシャ
という自分の中の勝手なイメージを
一新するような天井で、
どこを見ても職人さんの技術に
脱帽するばかりです。
 









 
職人さんの技術によって
美しく設えられた天井も素敵ですが、
平成知新館、リボンチャペルなど、
徹底的にノイズを除いた天井は
設計者の細やかな配慮を感じることができ、
とても勉強になります。
 







 
空調はどこにあるのか、
スプリンクラーはどこにあるのか、
あの機械は何なのか…。
宝探しをしているようで、とても楽しい時間です。

細やかな配慮の積み重ねで
居心地のよさがつくられていると思います。
先人の知恵や技術を学び、
住宅に落とし込んでいけるよう
日々勉強しています。
 
Nakamori