アルヴァ・アアルトの世界

2016.12.5

先日フィンランドへ行ってきました。
ヘルシンキ中央駅から路面電車で15分ほどのところにフィンランドを代表
する建築家アルヴァ・アアルトの自邸があります。
緑豊かな閑静な住宅地に佇み、北欧の町並みに馴染んだシンプルな建物です。
フィンランドでは伝統的な材料である間伐材、レンガ、木板で構成されています。
どれも決して高価な材料ではないのですが、そこがより魅力的に感じます。

設計スタジオが併設されており、1階の中心にはリビングがあり、スタジオとは障子のような引き戸でゆるくつながっております。アアルトは日本の引き戸を採用したのでしょうか。
スタジオには西面に大きなハイサイドガラスが設置されています。日本では嫌われがちな西日ですが、フィンランドでは日照時間が短いため太陽高度が低くなっても太陽の光が室内を反射させ、少しでも長い時間、自然の光を浴びながら仕事ができるようにと考えられているのです。

フィンランドの太陽の動き、風の向き、季節の移ろい、厳しい冬でさえそれらを楽しみ、心地のよいものとして感じられるように設計されていました。その土地で「暮らす」ということはこういったこうとなのかもしれません。特定の住み手だけではなくより広い意味で
住む人に「永く愛され続ける家」を設計していきたいと思いました。
by terai