工は家、芸は暮らし
2017.11.13
「工芸」と聞くと、なんとなく柔らかく、あたたかみのあるものをイメージし、
「建築」と聞くと、なんとなく硬く直線的で、機械的なイメージがあります。
そんな相反する二つを掛け合わせた「工芸建築」展を見に行きました。
「工芸」を建築的に、「建築」を工芸的に捉えたときに
新しい発見があるのでは・・・というようなテーマで
建築的要素と工芸の作品技術の合わさった作品の展示と
漆や絵画、陶芸などを手がける「工芸家」と
住宅やさまざまな設計を手がける「建築家」たちの「工芸と建築」について語る映像も流れていました。
「芸をなすための工であって、工をなすための芸ではないんです。」
「工芸」という言葉はもともと
お茶やお花という「芸」を良いものにするために、
茶碗や花器、道具の「工」があるというような意味合いで
有名な職人がつくるきれいな作品が工芸ではなく、
もっと使い手に寄り添い、使い手の「芸」を支える、優れた「工」がある
それが「工芸」だと思うんです。
そんな風に語る工芸家さんの言葉が耳にのこりました。
住宅にもあてはまることで
食事をしたり、眠ったり、なにげない暮らしが「芸」
その暮らしを包む家が「工」と言えます。
大量生産のものや作品としての建築でなく、
住み手がより、自分たちらしく、心豊かな暮らしができるよう、
工芸としての建築、家づくりをしていきたいなと思います。
by shirahata