心地よい場所
2018.9.21
建築で問われることの多い「中間領域」という考え方をご存知でしょうか。
字面はいかにも専門的で難しそうな印象ですが、
外のような中、中のような外、総じて「境界が曖昧な空間」のことを指します。
例えば、日本建築における軒下の縁側。
風が通り外の緑に近づくことができるけど、守られている。
“壁に囲まれた”ではなく“屋根に覆われた”感覚というのでしょうか。
住宅においても、
その要素を取り入れることはできます。
今の季節、トンボが舞う夕暮れ時であれば、どのような情景が見えるでしょうか。
穴ぐらに帰るような安心感と開放感
風が吹いて 湿った空気が触れ
遠くで鈴虫の鳴き声が聞こえてくる
気持ち良さそうじゃないですか?
私たち設計士にできることは、なぜその場所が気持ち良いか紐解き、
現代の住環境に活かすことです。
その根っこにあるものを追求することで、そこから広がる枝葉のように、
設計の可能性は広がるのだと思いました。
みなさまの暮らしがより良いものになりますように。
by ogawa