クラシックと建築
2018.10.5
先日、音楽入門講座に行ってきました。
この講座は作曲家の加藤昌則さんが、毎回1人の作曲家について独自の切り口で
生演奏も交えながら解説する講座です。
今年で3回目の講座となり、第1回目は「ショパン」でした。
ショパンは私の好きな作曲家でもあり普段から聴く機会が多いですが、
考えてみるとそれしか知らないというか、
クラシックの聴き始めが「ショパン」だっただけであまり知識はありませんでした。
講座は初心者からクラシック愛好者まで幅広い人たちが参加しており、
ショパンの生涯や作られた曲の背景について紹介されました。
ウィーンで傷心した時に書かれた曲は悲しい曲、
パリで幸せに過ごしていた時に書かれた曲は元気で明るい曲、
といったように今までは何気なく聞いていた曲もその人の人生を知った上で聴くことで、
楽曲の良さをより深く感じることができました。
その中で特に印象的だったのは、バラード第4番です。
この曲は悲しみと明るく楽しいメロディが演奏されており、
相対性を持たせることで悲しみはより悲しく、
楽しさはより楽しく感じられるそうです。
この相対性について、私たちが設計において大切にしている
光の陰影と相通じるものを感じました。
大きく開けた開口部に対して、それを受け止める壁をしっかりとつくることで、
明るさはより明るく、暗さはより暗く感じられ、
立体的で深みのある空間をつくることができます。
そのような空間で日常を過ごすことで、
ただ均一に明るく作られた空間では感じることができない光のありがたさや、
開口部の向こうに広がる緑の美しさに気が付くことができるのではないでしょうか。
ショパンを聴きながらプランニングが捗るのは、
そういった共通する部分があるからなのか?と思う今日この頃です。
by yamazaki