何度も行きたい芸術祭
滋賀県 近江八幡市で2年に1度開催される芸術祭、
BIWAKOビエンナーレが今年も開催されました。
「きざし」をテーマとする今回は、国内外のアーティスト約70組の作品が集まりました。
2001年に始まったこの芸術祭は今回で8回目になります。
私が初めて訪れたのは2014年で、2016、2018と、今年が3回目でした。
BIWAKOビエンナーレの特徴は、展示会場が全て
江戸時代に商人の町として発展した近江八幡に残る、
貴重な町屋や工場となっている所で、
何度も行きたくなる理由がここにあります。
上が2年前の作品と展示風景。(2016年)
この年のテーマは「見果てぬ夢」でした。
そしてこれが今年です。
ご紹介した2枚の写真はどちらも同じ場所での展示風景です。
BIWAKOビエンナーレの展示会場は美術館とは違い、
簡単に仕切りを設けたり外したりは出来ません。
ましてや着色も、壊すことも一切出来ません。
絶対的に手を加えられない展示空間での作品は全て「空間ありき」になるので
展示の場所と作品、テーマに対する作家さんの意図を考えるのが面白いです。
二年前、旧西勝酒造で出品された、塩で出来た渦巻きのインスタレーション。
(たゆたう庭 海に還るプロジェクト / 山本基 / 2016)
今年同じく旧西勝酒造で出品された、岩塩で出来た銃。
(なくしたいもの なくせないもの。溶けてなくなる武器=岩塩銃 / ヒグラシユウイチ / 2018)
テーマも違うし作家さんも違う、けれど同じ場所で同じ素材で出来た作品。
なんでだろう・・・
作品にはそういった解説は無いことが殆どですが、気づいただけでも心が躍らされます。
住宅設計とはあまり関係のない趣味の話になってしまいましたが、
「空間ありき」という考え方は、設計においても街や風景、気候や風土だったり
通づるものがあるのかな~と思いました。
次の開催は2020年です。
( 露地(紋)/ 園三 / 2018)
by kikuchi