名旅館に泊まる②
2019.2.1
昨年の春ひとつ仕事が完結したタイミングで、静岡県伊豆にある「三養荘」さんに宿泊しました。
昭和4年に誕生したこの旅館は、同63年に建築家の村野藤吾氏の設計により新館がオープンし、
そちらへ宿泊しました。高低差のある広大な敷地に、伸び伸びと折れ曲がりながら配置された日本建築でした。
客室までは絨毯貼りの長いスロープ廊下を歩き、階段を数段上りたどり着きます。
動線が長く、折れ曲がり、アップダウンがある事で、
室内なのに「離れ」にたどり着いたかのような感覚になります。
通常の旅館にはなかなか無い体感でした。
建物の構造は、ネイエ設計と同じく木造の在来軸組み工法でした。
数奇屋造りの建物は、至る所に経年変化が感じられました。
翌日の朝ちょうど雨が降ったのですが、屋根には樋が無く、落ちる雨雫が目でも楽しめました。(写真が無くすみません!)
客室は内湯付きで、脱衣所の床は無垢板の無塗装で、
足ざわりがスベスベ!何と言う樹種だったか、聞いておくべきでした・・・。
床暖房が入っていたこともあり、濡れた足でも無垢板がすぐ乾き清潔でした。是非体感頂きたい!
古くからある建物を見ると、「性能」や「新しいもの」重視の現代が過保護に感じます。
古いものを守り・育む習慣が無くなりつつ日本で、文化が育まれてゆかない不安もありますが、
住宅もいつまでも残したくなるスタンダードなものをつくってゆきたいです!
by yamada