別物
2019.11.22
私の愛用している革のペンケースです。
友人がイタリア旅行に行った時に、
お土産として買ってきてくれたものでした。
かれこれ使い始めてからもうすぐ8年経とうと
しています。
最初は綺麗な深緑色だったのですが、
色々なものに擦れ傷つき、今ではこんな色に。
中には細い三角スケールとペンが頑張って3本入る
程度で、
正直、内容量も足りず、仕事用に使うには
不便だなあと思うこともしばしばです。
ですが、普段小さいカバンを持つ私には
このサイズ感がちょうどよく、
使い始めから考えると
随分革が柔らかくなりました。
8年間もの間、
物を書くときは蓋をすぽっと抜き、ペンを抜く。
終われば、ペンを入れ、蓋をすぽっとかぶせる。
この動作が染みついています。
使い込んだものってなかなか捨てられなかったり
しますよね。
替えのきかない思い出の詰まったものです。
お店に行けば、もしかしたら同じ色・同じ形のものが
まだ並んでいるかもしれませんが、
使いに使い込んだこのこは、
わたしにとって、もはや『別物』になりました。
このコラムを書きながら、いまになって、
もっと大切に使ってあげればよかったなと
後悔しているくらいですが、
手放す気にはなれず、まだまだ使い続けようと
思っています。
私たちが設計している家も
たくさんの家族の思い出ができることで、
ずっと大切に住み続けたいと思うような、
もっともっと特別なものになればいいなと思います。
by Shirahata