Somewhere

2020.3.13

先日、下山芸術村 発電所美術館に行ってきました。
 

 
取り壊される予定だった水力発電所を美術館に
再生した建物です。
タービンや導水管がそのまま残された、
天井髙10mの展示スペースがあり
その大空間に藤原隆洋さんによる
「Somewhere」が開催されています。
 

 
明るさを絞った展示室に入ると、霧の景色が
広がります。
「In the Darkness」という作品で
無数の糸に光が射すことで再現される景色は、
見る角度や時間とともに霧が立ち上がっていくような
感覚がしてきます。
このフワっとした景色が、空間全体に静けさと
落ち着きをもたらしています。
 

(引用元:下山芸術の森発電所HP https://www.town.nyuzen.toyama.jp/cosmo/event/fujiwara.html)
 
階段をあがると、カタカタという音とともに
見えてくる作品「under the surface」。
小さな透明な板がゆらぎ、さざ波を思わせる作品です。
板に光が反射することで、壁に映し出される光が
水面を反射する光のようで、
いつまでも眺めていたくなる作品でした。
ぼーっと眺めているとカタカタという音が森の
葉ずりのように感じられ心地よい時間が流れました。
 
藤原隆洋さんの作品は、自然が織りなす美しさが
どのようなメカニズムで作り出され、
人は何に心を動かされるかを考察し、
人為的なものや現象におきかえ再構築されています。
 
作品を体感しながら以前出会った
霧が立ち込める風景や水面を思い浮かべつつ
心動かされる理由は何なのか、心動かされるものとは
何なのか考えさせられた時間でした。
 
毎日の生活の中で、機能性や性能だけではなく、
心動かされるもの、気づきのある住まいを
提案していきたいと思います。
 
by Kuriyama