街と家のあいだ

2021.5.7

昨年に訪れた沖縄県の竹富島に
心惹かれる風景がありました。

 
家をぐるりと囲む石垣から入口へ向かうと
正面に見えるこの低い塀が
「ヒンプン」と呼ばれる
伝統的な沖縄の住まいの特徴のひとつです。
石垣の塀から少し後ろに下がった場所にあり、
目隠しと魔除けを兼ねて作られているそうです。
現代では車社会の影響もあり、
減っているそうですが竹富島の集落には
このヒンプンが多く残っていました。

 
街と家をゆるやかに仕切り、
街から家へだんだんと
引き込んでいくように建てられたヒンプンが、
街と家のあいだをつくりだしています。
 
ヒンプンがひとつあるだけで
街と家の関係性に魅力が生まれ、
この空間が心地良いと感じました。
 
縁側や軒下のような外と中のあいだが
気持ち良いと感じるように、
何かと何かの曖昧な関係をつくることが
心地良い居場所をつくりだす
ヒントなのかもしれません。
 
Kanaoka