思い出を継ぐ

2021.9.10

お家づくりの打合せも大詰めのころ、外構の話し合いをしていた時のお話しです。
お客さまからこんなご希望がありました。
 
「実家のお庭の石を使いたい」
 
どんな立派な石なんだろう…
どうやって運ぼうかな…、運ぶのにいくらかかるかな…
 
そんな事を考えて、正直お受けするかしないか、
悩んでおりました。
 
数日後 実家に帰省したお客さまから、
熱心に撮った動画が送られてきました。
そんなお客さまの熱に押され、
新居にご実家の石を運んでくることが決定しました。
 

 
それからまた数か月が経ち、
いよいよ造園工事がスタート。
少し離れた県外のご実家まで、
庭師さんと一緒に目的の石を積み込みに行きました。
 
緑みがかった縞模様が特徴のそれは
「鳴門石」といって、
名前のとおり徳島県からやってきた石です。
どうしてこの地に鳴門石なんだろう?
とお話ししているうちに、
この石たちが辿った物語を知ります。
その石は数十年前、
ご実家を新築した際に故郷の徳島から
みんなで運んできた、
思い出の石だったそうです。
 
お話をうかがって、
自分が請け負っていることの重みを感じたと同時に
あ~、やってよかったな~、
という気持ちがこみ上げました。
 
石を積み終えご実家を離れて行くトラックを、
ご両親、ご家族みんなで「バイバ~イ」と見送り
新しいおうちにやってきて
出来上がったのがこちらです。
 

 
次はお子様が大人になって、
お家を建てるときに持っていくのかな。
 

 
Kikuchi