日常の空間体験

2022.2.25

先日、二棟の平屋の物件が完成し
お引渡しをしました。
 

 
敷地内に二棟、
大きさの異なる同じ形状の平屋が立ち並んでいます。
一つは住居棟、もう一つは車庫棟です。
 
4台分の車庫のある平屋建ての住宅で
この建物の配置は、
こちらからの提案で決まりました。
 
敷地のすぐ傍にはご実家があり、
敷地内の車庫2台分をご実家の方が使用する
計画です。
お客さまからは
「帰りたくなるようなお家」にしたい
というご要望でした。
 
計画当初、車庫と住居部分を一棟にする案を
考えていましたが、
ご実家との距離感や周辺環境、
構造のバランス…様々な条件から考えた末、
二棟の切妻屋根が佇む情景が浮かんできました。
 
「帰りたくなるようなお家」を目指し、
敷地内に入ってから各部屋にアクセスするまでの
日常の中の空間体験を、敷地全体で
考えていきました。
 

 
敷地内に入ると車庫棟の中心に設けた
アプローチの通路があります。
この通路を抜けた先、
二棟の間の空間に広場を設けました。
二棟の配置によって生まれる‘あわい’によって
ご実家とのつかず離れずの関係性が生まれます。
 

 
広場から玄関戸を開け住居棟に入ると、
光がふりそそぐ廊下がお出迎えします。
全ての部屋への行き来は
この廊下を通るプランになっています。
家の中でも時の移ろいを感じることができます。
 

 
廊下を通りたどり着く各部屋は、
必要最小限の窓を設けています。
暗がりのある落ち着ける空間です。
 
車庫棟のアプローチ通路、
‘あわい’にできた広場、
そして住居の廊下、
日常的に通過する場所だからこそ
豊かにしたいという思いがありました。
 
このお家がお客さまにとって、生涯ずっと
「帰りたくなるお家」になっていればと願います。
 
Endo