四明荘

2022.7.29

先日、長崎県の島原市に行きました。
島原半島の東端に位置しており、
温暖な気候で水と緑に恵まれ、
街中の水路には湧水が流れています。
 

 
島原半島の観光名所をめぐるなかで、
印象に残ったのが「四明荘」です。
 
明治後期に医師・伊東元三氏によって
別邸として建築された物件で、
四方すべて庭園に囲まれ、眺望に優れていることから
「四明荘」と名付けられたそうです。
庭園には湧水を利用した池があり
鯉が悠々と泳いでいます。
 
建物は数寄屋造となっており、
一番の特徴として、主庭に面するお座敷の縁側が
池にむかって張り出しています。
 

 
他のお客さんたちも張り出した縁側に腰掛けて、
足をぶらぶらしたり、
ぼーっと庭園を眺めているのが印象的でした。
自分でも腰掛けると、景色を眺めながら
葉が風になびくところ、
池の鯉が暑さを凌ぐために木陰に集まっているところ、
水面の光の反射がきらきらしているところ、
腰掛けている木部に触れて肌触りを楽しみながら、
あっという間に時間が流れていました。
 

 
気候や風土などの条件を活かしながら
自然とのつながりを大切にしていること、
100年以上前の物件ですが
今のお家づくりの中でも反映できる部分が
多くあるように感じました。
 

 
Imamura