裏側
2023.3.3
暮らしの中で毎日こなしていかなければいけない
家事仕事。
得意だったり苦手だったりは個人で違うとは思いますが、
面倒だなぁと感じてしまう家事が皆さんにもきっと
ひとつはあるのではないでしょうか。
夕食をすませ、あとはゆったり過ごして
明日のためにぐっすり眠るだけ。
そんな心地にすでになっているにも関わらず、
こなさなければいけない夕食の洗い物は
私にとって億劫な家事です。
唯一、この織部の器を洗っている間は違います。
![](https://neie.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/20230303_img001.jpg)
お店でこの器を拝見した時、小さな頃から身近に
触れている織部の釉薬の色にとても惹かれました。
ふと手に取り裏側をみたとき、玉虫色に輝く色合いに
表とは違った美しさを感じました。
どうやら表の縁取りと同じ色を
裏一面に配しているようなのですが、
それだけで印象がぐっと変わってみえます。
![](https://neie.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/20230303_img002.jpg)
「裏側がとても綺麗ですね」
そう店員さんへ声をかけると、
料理中や食事の間はなかなかみることがないけれど、
器の裏側は洗い物をする人にとって日常の景色。
そんな家事の間でも器を楽しんでもらいたくて
裏側も表情豊かにしている。
というのが作家さんの想いとのこと。
それからはこの器を洗うたびにこの話を思い出します。
器の向きによって輝きが違うように見えるので、
進んで手を動かし器の色合いを探るようにして
洗うことに楽しさを覚えます。
暮らしているからこそ気が付く小さな魅力に
ぐっときます。
Kimata