年縞博物館

2023.4.14

先日、福井県にある年縞博物館に行きました。
 
年縞とは、
長い年月をかけて湖の底にできる堆積物の層で
季節によって異なるものが毎年積もるため
明るい層と暗い層が交互に重なった
縞模様になっています。
この堆積した2つの層が1年分の年縞を表していますが
厚さは約0.7mmと非常に薄く、近くで見ると
木目に似ていました。
 

 
博物館にある水月湖の年縞は全長45mと
世界一の長さを有しており、
換算すると7万年分の堆積地層となります。
 
展示は直線空間となっており、
7万年間途切れることなく積もった年縞を
一望することができます。
地震や噴火などの環境の変化によって太かったり、
色が違ったり…
年縞から見ると、
数百年続いた一つの時代は十数センチほどの
短いものとなっており
刻まれてきた歴史の長さに
ただただ圧倒されていました。
 

 

年縞博物館の設計を手がけたのは内藤廣さん。
 
切妻屋根の細長いシンプルな形状と、
地形に順応するように作られたピロティからは
洗練さを兼ね備えたすっきりとした印象を受けました。
 
しかし、展示見学後に改めて外観を見ると、
長年宝物を納めていた正倉院正倉のような
長い歴史を守り続ける端厳な佇まいに感じて、
少し厳かな気持ちになりました。
 
「外側」があっての「内側」ではなく、
「内側」があっての「外側」なのだと
改めて実感しました。
 
Nagino