自由な色

2023.9.15

先日、メナード美術館へ行きました。
 
日本メナード化粧品株式会社の創業者、
野々川大介・美寿子夫妻が中心となり夫妻の
出身地である愛知県小牧市に開館した美術館です。
有名画家の作品収蔵もしており、
クロード・モネやパブロ・ピカソの絵画を
見ることができます。
 

 
今回展示会開催されていたのが、
メナード美術館35周年記念特別展示展
「今井龍満 偶然を生きるものたち1999-2023」
です。
 
今井龍満さんはキャンバスの上から
塗料垂らすように線を引く技法
ポアリングを用いて動物をモチーフに作品を描きます。
 
まっすぐなラインはなく、
ゆらぎのある線で描かれた作品は
躍動感があり、目の力強さ、表情、
凹凸のある線がいきいきして見えました。
 

 
加えて、作品ひとつひとつが
自分では考えつかないような配色をされていました。
キービジュアルとなっている〈Lion〉の毛並みは
首元に多色を使用することで毛量の変化がわかります。
 
他の作品も実際の動物の色味にとらわれることなく
自由な色使用し、とても見応えがありました。
その中でも〈Hippo〉という作品は
カバが水面から体の一部を地上にだしている姿を
赤と青で表現しているのは見事の一言でした。
 
何かを表現するとき、考えるときに、
絶対にこうしなければならないと
一つの結論に支配されることが多い私にとって
想像のつかない色を使って一つの絵が成り立つこと、
凝り固まった思考を解いてくれたように感じました。
 
Imamura